岩泉バースデー 2 ページ23
「頼まれなくても手伝いますけど……」
おそるおそるそう言うと、花巻さんが顔を上げた。
その顔は、まったく晴れていない。
逆に今の話のどこにダメな点があるのかな?
手伝ってって頼まれて、いいよってなったら普通は喜ぶと思ってたんだけど。
「あー、その岩泉の誕生日の企画なんだけどな、考えてるのが俺たちじゃなくて及川なんだよ」
何も言わない花巻さんの代わりに、松川さんが説明してくれた。
なるほど、完全に理解した。
つまり、徹がハジメのために何かしようとしているけど、その考えた案がきっとめちゃくちゃなのだろう。
それに、徹のことだからふざけてやっている可能性もある。
ハジメも誕生日まで怒りたくはないだろうな……。
となれば、私がどうにかするしかないということで、花巻さんと松川さんが頼んできたんだろうけど。
正直、私に止められるのだろうか。
一応、ここまで人の誕生日を祝ってきて、そして自分が祝われて、誕生日に何をするのかなんとなく分かってはきたけど、不安が全くないわけじゃない。
むしろ、不安でしかない。
「……私、何か出来ることありますかね?」
「及川を止めてくれ」
ほら、きた。
私の考えは、珍しく当たったらしい。
だってもう、徹絡みで私が呼ばれたら、絶対そういうことに決まってるもん。
でも、花巻さんと松川さん、本気で困ってるみたいだしな……どうしよう。
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sala-ri✰︎ - 面白かったです!!!!更新頑張ってください!!!楽しみにしてます(*^^*) (2022年6月20日 17時) (レス) @page3 id: 94069447b5 (このIDを非表示/違反報告)
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