【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ18)

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トスを教えてもらう 2 ページ18

「ねえ、お願い。教えてよー」

ちょっと駄々をこねるように言うと、影山は嫌そうに顔を歪めた。

その顔は流石に傷つくんだけど？

まあ、影山は教えるって柄じゃないもんね。

本当は徹に教えてもらうのが1番手っ取り早いのかもしれないけど、徹はもう高校生。

それに、正セッターになったばかりで忙しいってハジメが言ってた。

だから、余計に徹には言えない。

もちろん、ハジメにも。

なんといっても、私がなぜトスを教えてもらおうとしているかというと、ハジメにトスを上げてみたいからなのだ。

小さい頃から、喘息で運動らしい運動はまともに出来なかった。

いつも徹とハジメが練習しているのを、黙って見ているだけ。

別にそれが楽しくないわけじゃないんだけど、もし自分がもっと元気だったら、一緒にバレー出来たのにな、なんて思ってしまう。

今は昔に比べたら、喘息も治まってきたし、トスくらいなら出来る気がする。

走るわけじゃないし、ジャンプするだけだから。

いや、もちろん実際に試合でトスする時にその考えだと困るけど。

上がったボールをトスするだけなら、その要領で出来るはず。

というのも、私の1つの夢なのだ。

ハジメにトスを上げて、スパイクを打ってもらうのが。

だから、出来るだけ2人には内緒にしておきたい。

まあ、本当に影山が嫌だって言って喧嘩になりそうだったら、諦めて徹に頼もうと思っているけど。