【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ15)

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金田一バースデー 9 ページ15

パン！という軽快な音とともに、クラッカーが鳴る。

金田一は、「うわっ！」と仕掛けた側が喜びそうな反応をした。

でも、その顔はどこか嬉しそうだ。

「誕生日おめでとう、金田一！」

「おめでとうー！」

徹がそう言ったのを皮切りに、みんな次々とお祝いの言葉を口にする。

私と国見も金田一に追いつくと、金田一の両脇へと移動する。

「金田一、誕生日おめでとう！」

「おめでとー」

国見は若干棒読みにも聞こえるけど、金田一はとても嬉しそうだった。

「ありがとう。若葉、国見」

少し照れくさそうに笑う金田一は、とても可愛かった。

そのあと、金田一は他の先輩方にもお礼を言って回った。

律儀だし、誠実だし、それが金田一の良いところだよね。

一通り終わったところで、徹がパンと手を叩いた。

「はい、じゃあ朝練行くよー」

切り替え、と言わんばかりの表情に、急に現実に戻されたような気がした。

やっぱり、ちゃんと祝いたかったなあ……。

こんな寄せ集めって感じじゃなくてさ。

でも、IH予選が近いからしょうがないよね。

あとは、私と国見からのプレゼントを渡すだけ。

渡すだけでも嬉しいという国見の言葉を信じて、プレゼントを選んだ。

国見は、めんどくさそうな顔をしていたけど、一応買いに行くのは一緒に行ってくれたからよし。

問題は、いつ渡すのかである。

放課後しかないんだけど、忘れそうだな……。