【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ12)

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金田一バースデー 6 ページ12

「ちょっと国見……」

それだけ言えば分かるだろうと思って、私は呆れた声を出す。

もう、こっちが真剣に考えているのに……！

思わず文句が出そうになった時、国見がチラッとこちらを見た。

相変わらず、つまらなそうな目である。

私はそんな子に育てた覚えはないぞ……育ててないけど。

すると、はあっと国見は深いため息を吐いた。

それはいったい、なんのため息でいらっしゃるので？

「あのさ、いくらこっちが喜びそうなことを考えたって、実際に渡してみなきゃどうなるか分かんないだろ？お前は、そこにこだわりすぎ」

う、と言葉に詰まる。

でも、誕生日って特別な日じゃん。

やっぱりその日は楽しんで欲しいし、悲しい顔はして欲しくない。

「俺の誕生日プレゼントの話引きずっているんなら謝るけどさ、普通みんな、プレゼントをあげるってところに喜ぶと思うよ？」

のんびりとした口調で、でもちゃんと言っていることは的を得ていて、なんだか悔しい。

国見の誕生日プレゼントの1件から、私はプレゼントを渡すにしても、喜んで貰えるようなプレゼントにしようということを意識していた。

でも、国見の言う通り、それで人が喜んでくれるかなんて私には分からなくて、優柔不断の沼に落ちていたんだ。

そりゃ、プレゼントなんて中学に入って初めて人からもらったし、初めて人にあげたから、まだ慣れないことも多かった。

よくよく考えれば、私だってプレゼントの内容よりも貰うこと自体が嬉しかったのに。