【HQ】鈍感少女番外編2 (ページ45)

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王様ゲーム 1 ページ45

国見side

それは夏の暑い夜。

合宿はまだ2日目だけど、練習試合をグルグルとやっているから、かなり疲れる。

風呂すら面倒になるくらいだ。

流石に汗で気持ち悪いから入ったけど。

消灯時間までの間、スマホを見るなり駄弁るなり、みんな思い思いに過ごしていた。

ある言葉が発せられるまでは。

「ねえ……せっかくだから遊ばない？」

及川さんのこの一言が、後に若葉の怒りを買うことになるとはこの時誰も思わなかっただろう。

「遊ぶってなんだよ？トランプ持ってきてねえし」

「UNOでも持ってくりゃ良かったな」

「遊びに来てんじゃねえんだぞ」

布団に寝そべりながら、壁に寄りかかりながら、みんなぼんやりと喋っている。

正直、俺は反対。めんどくさい。

もう眠いし、明日もどうせ早いし、何よりそんな遊ぶほどの体力は残っていない。

スマホでゲームしてるくらいがちょうど良かった。

「でもせっかく他校と関われるチャンスだしさ、みんな呼んでなんかしようよ」

及川さんがそう提案するも、みんなはあまり乗り気ではなさそうだ。

他校との交流って言ったって、東京なんて滅多に行くところじゃないし、なんなら死ぬまで行かないかもしれないし。

そこで友達作っても、ネッ友とあまり変わらないんじゃね？

まあ、春高で全国に行けばワンチャン、会えるかもしんないけどさ。