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文化祭 27 ページ26

文化祭2日目。

喘息で軽く咳き込んでいた私は、壁に寄りかかってみんなの練習を眺めていた。

今日は朝、少しだけ早く来て最終確認をしようという話になったのだ。

昨晩泊まり込みでみっちり教えたおかげで、徹もみんなの動きについていけている。

徹は要領がいいから、振り付けを覚えることにはそこまで苦戦しなかった。

そうじゃなかったら、私は多分今、ここにいない。

おかげで、今日の練習はこの朝練と、後夜祭前の最終確認だけで済みそうだ。

その方が、徹たちも文化祭を楽しむことに専念出来ると思うし。

全員の床を蹴る音が、綺麗に揃っている。

流石、バレー部。

もともとチームスポーツをやっているからか、動きが綺麗に統一されている。

ダンス部顔負けなんじゃないかって思うくらい。

身内だから肯定的に見えてるだけかもしれないけど。

でも、これなら他の部活の人たちから見ても、少なくともダンスが下手くそという烙印を押されることはないと思う。

最初の頃とは比べ物にならないくらい、みんな上手くなっていた。


「……どうだった?」


踊り終わって息が少し上がっている徹が、私に尋ねる。

私は、両手を頭の上で繋げて大きな丸を作った。


「すごく良かった!」


そう言うと、徹はホッと胸をなでおろしていた。

昨日、みっちりやったとはいえ、みんながどれくらい出来ていたかを知らないから、少し不安はあったみたい。

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作者名:くれは* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年4月23日 19時

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