【HQ】鈍感少女番外編2 (ページ22)

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文化祭 23 ページ22

焼きそばで腹も脹れたところで、私と金田一は国見を強制的に部室に連れていった。

部室では既に、花巻さんと松川さんが国見の衣装を持って待ち構えていた。

ニヤニヤしながら扉の前に立つ2人に、国見は余計に眉間にシワを寄せる。

その腕を金田一が引っ張り、私が後ろから背中を押す形で、国見を部室まで上がらせた。

「じゃ、着替えよろしく」

ひとまず、部室のドアを閉めて着替えを促す。

流石に私がここに入るわけにはいかない。

いくらみんなの上半身を見慣れているからといって……。

出てきた国見の目は、驚く程に死んでいた。

ミニスカートとカチューシャ姿のまま、微動だにしない。

隣で金田一も同じ格好をしているんだけど、彼も落ち着かないみたいでソワソワしている。

「はい、やるよー。2人とも位置について」

午前中と同じ練習方法で、足のステップから音楽に合わせて踊る。

手の振り付けがないだけでもだいぶ変わるのか、国見もそこはそれなりにちゃんと踊ってくれた。

目は死んでいるから、上と下ですごくアンバランスだけど。

でも、意外と国見はちゃんと踊れているんだよね。

むしろ、金田一の方が少し危なっかしいくらい。

まあ、金田一はちゃんと練習してくれるからいいんだけどね。

「国見ー、終わったら塩キャラメルあげるからさー」

すこぶる機嫌が悪い国見を宥めるようにそう言えば、国見は私のことを睨んだ。

「いらない」

あ、そうですか……。これは、だいぶ機嫌が悪いや。