【HQ】鈍感少女番外編2 (ページ21)

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文化祭 22 ページ21

焼きそばの屋台は、お昼時ということもあって大行列だった。

最後尾に並んだ時には、もう既に国見の顔には「めんどくさい」と書いてある。

「なんだ、結局お前らも食うの？」

「そりゃ、腹減ったしな」

国見のすぐ後ろに並んだ金田一と私。

文化祭は2日間あるし、明日また別のものを食べればいいやくらいの感じだ。

なんなら、まだあと2年もあるから3年間を通して、全部の屋台を制覇するのもあり。

ただ、問題は私が焼きそば1パック分を完食出来るか否かだ。

確かにお腹は空いているけど、意外と量が多いんだよね。

運動部でたくさん食べる金田一と国見は足りないかもしれないけど、そこまで動かない私には大盛りに見える。

屋台のテーブルには、もう既に出来上がった焼きそばがパックに詰められており、それを会計係の人が次々にお客さんに渡す。

「若葉、あれ全部1人で食えるか？」

私と同じようにパックを眺めていた金田一が尋ねる。

ああ、やっぱりそう思う？

普通に完食出来る自信はないです。

かと言って、残りを教室に置いておくわけにもいかないし。

会計の人に少なめにしてって頼んだら、少なくして貰えるのかな？

いや、お客さんを捌くためにはそんな悠長なことしていられないだろうから、迷惑になっちゃうな。

「残ったら、金田一、食べてくれる？」

国見は絶対1人分でいいって言いそうだし。

すると、金田一は目をキラキラさせて「いいのか？」と遠慮がちに尋ねてきた。

いや、うん、可愛い……。