【HQ】鈍感少女番外編2 (ページ17)

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文化祭 18 ページ17

「お前ら、ちょっと見ないうちになんかでっかくなったなー」

そう言って金田一と国見を見上げる湯田さんは、ポジションがいつの間にか親戚のおじさんになっていた。

まあ、毎日一緒にいる人より、たまに会う人の方が変化には気づきやすいって聞くし、実際に2人ともまだまだ身長は伸びているから、多分そうなんだろうな。

「春高予選、もうすぐなんだろ？国見、ちゃんと練習してるか？」

湯田さんに聞かれた国見は、「はい」と返事をしながら明後日の方向を見た。

嘘ついてんのバレバレじゃん……。

でも、今回の春高予選、もし京谷さんを入れるなら、国見と交代なんだよね。

国見自身は、別にそこまでレギュラー入りたいって強い意思があるわけじゃないんだろうけど、私としては金田一と国見の両方に活躍して欲しいなあ、なんて。

「お前らはうちの部の1年の中でも群を抜いて上手いんだから、頼んだぞ」

ポン、と湯田さんは、金田一と国見の肩を叩いた。

まるで、青城の未来を託すかのように。

春高が終われば、遅かれ早かれ今の3年生は全員引退、そして卒業だ。

代はどんどん入れ替わり、あと約1年後には、金田一や国見がこのチームを引っ張っていくことになっているかもしれない。

あまり実感はないけど、それまでの期間が残り1年しかないのはあまりにも少ない。

それまでに、みんなも私も先輩たちのようになれているんだろうか？

後輩たちから信頼されるような人になれているんだろうか？