【HQ】鈍感少女番外編2 (ページ15)

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文化祭 16 ページ15

「お、来たのか2人とも。悪い、もう少し待っててくれ」

1年5組の教室に来ると、何やら慌てた様子の金田一がいた。

金田一のクラスは、ペットボトルのドリンクを売っている。

もう10月に入ったとはいえ、まだまだ日中は暑い。

そのせいもあってか、お客さんが殺到しているみたいだ。

教室の外まで、長い列が出来ていた。

1年5組の人は、全員慌てて対応しているみたいだし、これはしばらくかかりそう。

どこで待っていようか、キョロキョロ辺りを見回すと、いつの間にか国見がいなくなっていた。

え、待っててって言われたじゃん、どこ行ったの？

流石に教室内に入ったとは考えられないし、そもそも国見は人ごみ苦手だし……。

1年5組の教室の周りを探していると、隣の階段の隅に座って携帯を弄る国見を見つけた。

どうやら、携帯ゲームをして待っているらしい。

まったく、1人で先に行くなんて……。

「わっ！」

国見のマイペースに呆れて、少しおどかしてやろうと、思いっきり距離を詰めて至近距離で大声を出した。

それなのに、国見はピクリとも動かず、黙ったままゲームをしている。

うう……悔しい。

なんでこれで驚かないの？

その後も、何度か驚かせようと頑張ったけど、国見がこちらを振り向くことはなかった。

「おい、何やってんだ？若葉」

「あ、金田一。お疲れ様」

ようやく金田一が到着すると、国見が携帯の画面から目を離した。

「こいつ、邪魔ばっかりしてくんの」

「誰のせいだと……」

「まあまあ、ほら行くぞ」

適当に宥められて、私たちはお昼を食べに屋台の方へと向かった。