文化祭 13 ページ12
反射的にドアを閉めようとしたら、徹に止められた。
いやだって、徹着替え中じゃん。
私、着替えを覗く趣味は持っていないんですけど。
「早く着替えなよ!」
それだけ言って、私は今度こそドアを閉めた。
すると、扉の向こうからペシンと頭を叩く音が聞こえた。
「いてっ」という声から察するに、誰かが徹の頭を叩いたらしい。
ハジメか、はたまた花巻さんか、松川さんか。
数分経って、再び部室のドアが開いた。
今度はちゃんと着替えた徹と、その後ろには3年生が全員着替えて揃っていた。
うん、なんか……これだけでも十分にカオスだな。
ミニスカだから、筋肉質な足が丸見えだし……。
3年生の課題は、とにかくリズム。
音楽を流し、私がリズムに合わせて手を叩く。
4人はそれに合わせて踊るのだが……どうしてか合わない。
1番上手いのは花巻さんだけど、ちょっと癖が強いんだよなあ……。
うーん、どうしたらいいんだろう?
4人が振り付けの確認をし合う中、私はどんな練習をしたらいいのか考えていた。
いくら振り付けを覚えても、リズムがバラバラじゃダンスは綺麗に見えない。
私が手を叩いてもダメなんだもん。
ダンスの練習の仕方について、スマホで検索かけた方がいいのかな……。
いや、ちょっと待って。
そんなことしなくてもあるじゃん。
ダンスの練習の仕方を知る方法が!
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