【HQ】鈍感少女番外編2 (ページ2)

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文化祭 3 ページ2

「それっ」

「松川、輪投げ下手くそか！」

縁日にある、古典的な輪投げコーナー。

本来、保護者同伴の小さい子も遊べるようにと作ったものだったんだけど……。

この先輩2人、小さい子に負けないはしゃぎっぷりなのだ。

「じゃあ、次はお前な。もし外したら、なんか奢れよ」

「そんな及川じゃあるまいし」

「負けるな花川」

「勝手に融合すんな」

笑いながら、今度は花巻さんが輪投げを始める。

いつも部活じゃ頼りある先輩なのに……いや、普段もあんな感じか。

紙をクシャクシャにして作った手作り感のある輪っかを持って、ポイント地点と睨めっこしている2人を見ているだけで楽しい。

ここにハジメや徹もいたら、もっと大騒ぎになるんだろうな……。

楽しそうだけど、流石に学校ではやめて欲しいかも……。

でも、みんなで夏祭りに行ってみたら楽しいんだろうな。

私はまだ行ったことないし、この辺だとどこでやるのか知らないけど、いつか連れて行って欲しい。

今度、ハジメに聞いてみよっかな。

「どうだ！」

「へー、やるじゃん。でも残念ながら、花巻くんの愛しの若葉は見てないみたいだぞ」

突然私の名前が出てきて、頭の中を整理して現実に戻す。

2人で楽しんでいるならと、私は全然見てなかった。

ショックを受けたような顔をしている花巻さんを見て、流石に私もこのままで終わらせるわけにはいかない。

「も、もう1回やりましょ！ね？」

泣きの1回、花巻さんが投げた輪っかは、見事にポイント地点から外れた。

その隣で、松川さんは大爆笑していた。

なんかすみません、花巻さん……。