【HQ】鈍感少女 vs ぶりっ子少女

83. 部活のシステム ページ5

ガラガラ、と体育館のドアを開けると、中から聞こえる話し声。

しかも、女子の声が混ざっているような……。

金田一と2人で向かうと、案の定、そこには茶髪をツインテールにした女子生徒が、徹と何やら話していた。

何話してるんだろう……？

徹が困ったような笑みをしていることから、めんどくさい内容なのは察しがつくけど。

関わりたくないな、着替えてこよう。

そう更衣室に行こうとした時だった。


及「あ、Aちゃん来た！」


はい、バレたあああああ！！！

徹め、デカい声で言いやがって……！

しかも、なんか隣の女子、めっちゃ睨んでるんだけど……。

き、きっとあれだ、目が見えにくくて目細めてる的なあれだ(語彙力)

そうだよね、だってあの子知らないし、会うの初めてだし、睨まれる理由もないし。

てか、まずなんでいるんだよ、女子。

徹ファンは、基本ギャラリーで観戦ってルールじゃなかったっけ？

見た感じ1年生っぽいから、間違えたとか？


及「Aちゃんにちょっと報告なんだけどさ」


そう言って、私の腕を引っ張り、女の子に背を向ける徹。

うん、視線が痛い。


貴「何、報告って？」

及「実は……あの子、新しいマネージャー希望で」

貴「マジか」

及「うん……。でも、見た感じ部員目当てっぽいんだよね」


あー、だから困ってたのか。


貴「……断ればいいんじゃない？」

及「それが、もう入部届け出しちゃったみたいでさ」

貴「え!?だって、顧問の了承がないと駄目なんじゃないの？」

及「それが、担任の印が押してあるのを見て、勘違いしちゃったらしいんだよね。
もう俺たちも知ってると思ってたらしくて」


それ……高確率でヤバくない？

何してんのさ……。


貴「まあ、まだ仕事しないって決まったわけじゃないし、サボったらすぐに退部させればいいんじゃない？」

及「あー、そっか。
Aちゃん、部活のシステム知らないんだっけ？
この学校は、入部してすぐに退部ってのが出来ないんだ。
というか、そう簡単に退部させてくれる部活ってのも極小数でさ。
まあ、バレー部は選手なら、怪我とか不登校とか、幽霊部員なら退部出来るけど、マネージャーは厳しいんだよね。
自主的な退部なら、マネージャーは大丈夫なんだけど」


なるほど、なるほど。

つまりあれか、暫く一緒に仕事をやると。









……マジか。

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