松川&矢巾バースデー 8 ページ10
「確かに、そうだね……。Aちゃんは、部室の飾り付けをお願いしようかな。飾り付けなら、調べればいくらでも出てくるから」
徹が国見の意見に賛同する。
私にプレゼントの案を任せていた、花巻さんと渡さんは申し訳なさそうな顔をしていた。
そんな、気にしなくてもいいのに。
むしろ、この1年で色んな人をお祝いしてきたのに、未だ経験が乏しいせいで何も思いつかないのが申し訳ない。
プレゼントの代わりに、2人に喜んで貰えるような飾り付けを作らなきゃ!
本当なら、いつもはこんなに派手に祝ったりはしない。
でも、3年生が卒業前でこれが最後になること、その3年生の1人である松川さんの誕生日であることが主な理由だった。
飾り付け担当は、金田一と国見。
私も入る上に全員1年生。
あれ、もしかして、国見……。
私を飾り付けの方に誘導した……?
いやいや、そんなはずないか。
国見だもんね、誰かと一緒に何かしたいみたいなのあんまりないだろうし。
徹は、花巻さん、渡さんと一緒にプレゼントの内容を考えている。
その間に、私は携帯で飾り付けについて調べ始めた。
折り紙で作る輪っか、お花なんかは使えそう。
どうせなら、部員の誕生日用に取っておこうかな。
毎回作るのも時間がかかるし。
「折り紙ねえ……俺ら器用じゃないんだけど」
私のスマホを背後から覗き見た国見が、ボソッと呟いた。
うっ、確かに手の大きい男子には難しいか……。
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