【HQ】鈍感少女番外編1 (ページ8)

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松川＆矢巾バースデー 6 ページ8

ミーティングルームはシーンと静まり返っていた。

徹が徐々に察したみたいで、「嘘でしょ？」と言いたげな目をこちらに向ける。

うう……しょうがないじゃん、忙しかったし何もアイデア浮かばなかったんだもん。

どうしよう、どうしようと焦って頭が真っ白になっていると、突然私の横で「あのー」と声が聞こえた。

国見だ。

「もしかして、若葉に誕プレ選びを頼みました？」

国見もどうやら察したらしい。

もしかして、庇ってくれたり……なんてことはないか。

国見は、本当にいざって時は助けてくれるけど、そうじゃない時は大抵裏切ることを、過去3年間で学んできた。

でも、庇うわけじゃないなら、何を言うつもりなんだろう？

「まー、女子だし俺らよりはセンスあるんじゃね？と思ってさ」
「ないですよ」

花巻さんに即答しやがった、国見……。

センスがないとか……そんなハッキリ言わなくてもいいじゃん。

今年の誕生日、国見だけなんかエグいプレゼント考えようかな。

「こいつ、去年の俺の誕生日に『これでゲームに課金できるね』って魔法のカード渡してきたんですよ。俺、スマホゲームに課金しないのに」

去年の黒歴史持ち出されたあああ！

し、しょうがないじゃん、何渡せばいいか分からなかったんだもん。

スマホゲームしてるなら、魔法のカードを渡せば喜ぶかなと思って、5000円分あげた。

うう……穴があったら入りたい。