松川&矢巾バースデー 5 ページ7
「それで、木曜のこの時間にしようと思うんだけど……」
徹の声に、私は身体を強ばらせていた。
何これ、聞いてない聞いてない……。
今日は月曜日で、部活はお休み。
それなのに、ミーティングルームにはレギュラーの1年生と2年生、それから引退したはずの3年生まで揃っていた。
ある2人を除いて……。
そう、松川さんと矢巾さんである。
ここに来るまで何も聞かされていなかった私は、徹の説明に現在進行形でびっくりしているのだ。
どうやら、松川さんと矢巾さんは誕生日が同じ日らしい。
2人を祝うために、今日このミーティングルームを使って相談をしているんだとか。
花巻さんも渡さんも、それで数日前からソワソワしていたのか。
いや、そこじゃないよ!
そこじゃなくて、問題は2人にプレゼントの案を考えときますとか言っておいて、何も考えていないこと。
すっかり忘れていた。
好物をプレゼント出来ないなら、他のものをプレゼントするしかない。
その他のものが思い浮かばないのだ。
だって、男子高校生が何を欲しているのかなんて、私には分からないし……。
ハジメに渡すつもりで選べばいいのかな?
でも、絶対系統が違う気がするんだよね……。
今になって、頑張って思考を巡らせてみるも、当然良い案は浮かばない。
「それで、プレゼントは何渡すか決まった?」
徹の声に、花巻さんと渡さんから視線を感じる。
ああ、これ絶対私が何か言わなきゃじゃん……。
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