松川&矢巾バースデー 4 ページ6
「えと……いくらを買ってきて酢飯の上にのせるというのは……?」
さっき、花巻さんに言ったことと似たようなことを提案してみる。
チーズハンバーグに比べれば、酢飯を作っていくらをのせればいいんだし、それほど難しいものでもないはず。
「それがさ、僕がスーパーに行くと、いくらは売り切れてることが多いんだよね」
苦笑する渡さん。
バレー部は部活が終わるのが遅いから、その後買い物に行ったんじゃ間に合わないってことか。
朝は朝で、スーパーが開店する前に部活が始まっちゃうし。
あ、これダメだ、詰みだ。
料理が簡単な分、こちらは材料が入手困難らしい。
えー、どっちもダメじゃん。
これはもう、好きな食べ物をプレゼントにするのは諦めた方がいい気がする。
じゃあ代わりに何をプレゼントするのかっていうのも、かなりの難題。
先輩が何を欲しているのかなんて、マネージャーの私が分かるわけがない。
え?矢巾さんは彼女が欲しいんじゃないかって?
そんな矢巾さん好みの女の子なんて、私は知らないもん、無理よ。
もういっそのこと、部室で盛大に祝う?
いや、それは大前提な気がする。
学校に来てみんなに会ったら、まずはおめでとうって祝われた方が嬉しいよね。
そう思いながら、頑張って頭を唸らせていたけど、結局良い案は思いつかなかった。
私は渡さんにも、考えときますと言う羽目になってしまった。
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