文化祭 2 ページ49
10時の解放時間と共に、お客さんが入ってくる。
私のシフト時間は、この最初の1時間だけ。
あとは、バレー部の方の手伝いに行く。
といっても、バレー部は後夜祭で吹奏楽部の演奏に合わせて踊るだけだから、衣装合わせとダンスの練習が主にやること。
バレーしかやって来なかったみんなに音感があるはずもなく、ダンスは未だバラバラ……。
しかも、徹が絶対センターをやるとか言い出して、国見をセンターにしようというハジメたち3年と揉める始末。
前に渡さんが部室の前で体育座りしていた時と、何か関係があるのかな?
皆、口を揃えて渡さんは入れるって言っていたし。
結局、レギュラーメンバー全員が出ることになったんだけど、今度は京谷さんが衣装を着たくないと練習に参加しなくなった。
まあ、おふざけ的なあれだから、フリフリのスカートだしね……。
これにノリノリだったのは、徹と花巻さんだけだったから無理もない。
ハジメが説得役を買って出たけど、上手くいったのか分からないんだよね。
そんな感じでゴタゴタのバレー部の出し物は進んで行った。
自分のシフトが終わったら、一旦部室に行こう。
衣装は手作りだし、最終確認もしたい。
なんて、頭の中でシフトが終わったあとの計画を立てていると、目の前に人影が出来た。
私がすっぽり影に覆われてしまうくらい大きい人というのは、この学校では限られてくるわけで……。
「よっ、若葉」
「よう」
「花巻さん、松川さん!」
身長180超えのバレー部3年生。
噂をすればなんとやらというやつである。
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