【HQ】鈍感少女番外編1 (ページ48)

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文化祭 1 ページ48

貴方side

夏休みが終わり、いよいよ春高予選が近づいてきた10月上旬。

青葉城西高校の校内では、がやがやと賑やかなムードに包まれている。

毎年この時期には、文化祭である青城祭が開かれる。

クラスはもちろん、部活でもイベントを行って、多くの来場客をもてなすのだ。

ちなみに私と国見のクラスは、縁日。

男子も女子も浴衣を着て接客をする。

クラス内でシフトを決めたんだけど、私は残念ながら国見と同じシフトにはなれなかった。

まあ、当然と言ったら当然なんだけどね。

何せ、国見はクラスでも密かに人気があるから、一緒にシフトを組みたい子はたくさんいる。

本人は涼しい顔をしていたけど。

でも、時間が合えば、金田一も一緒に回る約束をしたからあまり気にはしてない。

それよりもまずいのは、私が国見以外のクラスメイトとほとんど話せないということ。

鮒川さんの藁人形の1件があってから、私の信用は地に落ちている。

普段は国見としか喋らないから気にしていなかったんだけど、こういう場合は別。

女子の中には、私が国見とよく一緒にいるからってだけで冷たい態度を取る人もいる。

1日1時間の少ないシフトだけど、それでも先が思いやられるなあ……。