検索窓
今日:20 hit、昨日:24 hit、合計:7,523 hit

渡バースデー 4 ページ41

「渡っち、誕生日おめでとうー!」


いよいよ、渡さんの誕生日会当日になった。

その日は土曜日で、朝いつもより少しだけ早く来て準備をした。

金田一にクラッカーを渡されて、渡さんが入ってきたら紐を引っ張るように言われたんだ。

だから、渡さんが部室に入ってきた時に、徹の「おめでとう」と同時に紐を引っ張った。

他のみんなも同じようにしていたから、変に自分だけ浮くことはなかったけど、大きい音が鳴るってことを私は知らなかった。

パン!という音が鳴った瞬間、私は心臓が跳ねて思わずクラッカーから手を離してしまった。

数歩後ずさりしてから、脳内処理が追いついてくる。


「大丈夫か、若葉?」


金田一が気づいて、床に落ちたクラッカーを拾ってくれた。

紐を引っ張った時の振動といい、大きい音といい、若干トラウマになりそうだ。


「初めてのおつかいならぬ、初めてのお祝いじゃん」

「国見、上手いこと言わないの!」


確かに、間違いではないけども!

いたずらっ子のように笑いながら言う国見は、今日はなんだかイキイキしているように見えた。

いや、単純に私の事からかっているからってだけかも。

そのイキイキをバレーでも活かして欲しいんだけどさ。

まあでも、今日の練習はいつもと少しだけ違うから、国見の反応はちょっと楽しみだな。

ゾロゾロとみんなが片付けて体育館へと移動し始める中、私は1人ほくそ笑んでいた。

渡バースデー 5→←渡バースデー 3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 5.3/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くれは* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年3月1日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。