【HQ】鈍感少女番外編1 (ページ38)

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渡バースデー 1 ページ38

貴方side

「誕生日会……？」

慣れない言葉に、私は首を傾げた。

「そう！って言っても、クラッカー鳴らすだけだけど」

目の前で説明する徹は、心做しかウキウキしているようにも見える。

徹、意外と行事もの好きだよね。

まあ、ファンがチヤホヤしてくれるからかもしれないけど。

そんなことよりも、誕生日に会があるなんて、私は今日初耳だった。

おめでとうって言ってもらうか、プレゼントをもらうかどちらかだと思っていたから。

クラッカー鳴らすだけ、なんて徹は言ったけど、そもそもクラッカーってなんだっけ……。

クラッカーってお菓子なかったっけ？

そっちじゃなくて、別ものってことでしょ？

あとで携帯で調べようかな……私だけ知らなかったら、みんなに不審がられてしまいそう。

今月誕生日を迎えるのは、2年の渡さん。

本当は、もう春休み中に誕生日を迎えてしまったらしいんだけど、部活ではまだお祝いが出来ていなかったから、学校が始まってからやろうという話になっていたらしい。

私なんてほとんど話したことがないけど、大丈夫かな……。

その他大勢の1人になっていればいいかな？

誕生日会がどういうものか分からないから、何をするのか、どうなるのか、想像しづらい。

普段、練習で忙しいみんなに代わって、準備しておくものとかあるのかな……？

今日家に帰ったら、ハジメに聞いてみようかな。