検索窓
今日:24 hit、昨日:1 hit、合計:7,503 hit

エイプリルフール 3 ページ35

事の始まりは、昼休憩だった。

学校に着いてすぐ、及川には1発決め、その後はすぐに練習。

当然、スマホはあれから開くこともなく、俺の鞄の中で眠っていた。


「あれ、なんかAちゃんからめちゃくちゃ通知来てるんだけど」


昼食がてらRINEを開いた及川がそう呟き、何かあったのかと俺もスマホを手に取った。

RINEを開けば、俺も及川と同じく、大量にAから通知が来ていた。

なんなら、その下には親からまで来ていた。

喘息の発作でも起きたのかと思ってトークを開けば、そこには不在着信が何件も入っている。

嫌な予感がして、俺はAに電話をかけた。

コール音がやみ、電話はすぐに繋がった。


『ハジメ!良かった、やっと繋がった!』


聞こえてきたAの声は元気そうで、俺はひとまずホッとした。

具合が悪いわけじゃなかったのか?


『ねえ、ハジメ聞いた?徹が事故に遭っちゃったって!怪我しちゃったみたいなの!バレーがしばらく出来なくなっちゃうかもしれないって』


泣きそうなその声を聞いた途端、一瞬思考が停止した。

及川が事故って……まさかこいつ、Aにも同じ嘘をついたのか?

Aはそれで心配して、電話をかけてきたってことか。

ということは、その下の親からの通知も全部それ関係と……。

1つの嘘が、とんでもない誤解を起こしていることに、この時俺はようやく気づいたのだった。

エイプリルフール 4→←エイプリルフール 2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 5.3/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くれは* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年3月1日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。