【HQ】鈍感少女番外編1 (ページ31)

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国見バースデー 9 ページ31

私は、国見に返事をする前に部室の扉を勢いよく開けた。

もうこれ以上ボロを出すわけにもいかなかったから。

問い詰められたら、私じゃ誤魔化しきれない。

パーンとクラッカーの音が、次々と部屋の中に鳴り響く。

国見はというと……あれ？意外と驚いていない？

国見が驚くこと自体少ないけど、これは流石にサプライズだし、驚くと思ったんだけどなあ……。

「国見、誕生日おめでとう！」

矢巾さんを筆頭に、次々と「おめでとう」の声が飛び交う。

国見はそれにお礼を言っているけど、あまりにも淡々としていて私は納得出来なかった。

なんでそんなにポーカーフェイスなの。

チラッと金田一を見ると、金田一も意外だと思ったのか複雑そうな表情をしていた。

うう……なんか、悔しい。

もっとこう、表情筋を使おうよ！

まだプレゼントすら渡せていないのに、既に失敗の予感しかしなかった。

その後の国見も、いつも通りで普段となんら変わりなかった。

まあ、普通に練習だったからっていうのもあるんだろうけど。

だから、プレゼントを渡すついでに聞いてみようと思ったんだ。

サプライズされてどうだったのか。

「え、嬉しかったけど？」

練習が終わった帰り道。

さりげなーく聞いてみれば、朝と同じく淡々とした答えが返ってきた。

「その割には、驚いてなかったじゃん」

もうここまで来ると落ち込んできた。

もっと表に出してくれないと、サプライズした感じがしないんだもん。

すると、国見は呆れたように大きなため息をついた。