【HQ】鈍感少女番外編1 (ページ4)

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松川＆矢巾バースデー 2 ページ4

「えと……じゃあ、チーハン作っちゃいます？」

困った末にそう言えば、花巻さんはくわっと私の目の前まで迫ってきた。

近い近い、怖いですよ……。

「若葉……俺が料理出来ると思うか？」

あ、それは確かにちょっと……。

現役男子高校生運動部所属となれば、食事の栄養については詳しいかもしれないけど、料理はあまり出来るイメージはない。

むしろ、作るより食べる専門だよね。

チーズハンバーグって、中にチーズを入れて焼かないといけないから、結構難しいんじゃないかな……？

「何も1人じゃなくても、徹やハジメを誘うとか、いっそのこと4人でワイワイ作るっていうのも楽しそうでいいんじゃないですか？」

我ながらいい提案だと思った。

誕生日って、絶対にプレゼントを渡さなきゃいけないわけじゃないんだと思うの。

これは完全に、昔読んだ小説に出てきたお話の受け売りだけど、行動で示すプレゼントというのもあるらしい。

もうそれなら、いっそのこと4人で仲良くワイワイ楽しめればそれでもいいんじゃないかと思った。

松川さんだって、そんな我儘な人じゃないから、それでも十分喜んでくれそうだけどな……。

そう思っていると、花巻さんにガシッと両腕を掴まれた。

その顔は、この世の終わりのような絶望した表情だった。

あれ、そんな良い案じゃなかった……？

少し不安になっていると、弱々しい声で花巻さんが「若葉……」と呼んだ。

「料理初心者が4人集まったところで、出来るのは炭の塊だぞ」

あっ……。