検索窓
今日:9 hit、昨日:24 hit、合計:7,512 hit

国見バースデー 8 ページ30

「えーっと……部室にちょっと用事があって……」

「ふーん。でも、多分今みんな着替えてるんじゃね?」


嫌なところを突かれた。

そうだよね、着替えているところにわざわざ行く必要ないもんね。

そのために、男子と女子で着替えるところ分かれているんだもんね。

普段の私だったら、ここで2人に部室での用事を代わりにお願いしたんだと思う。

いや、待って、違うよ。

そもそも、部室に用事なんてないんだよ、私は。

用があるのは国見なんだから。

チラッと助けを求めるように、私は金田一を見たけど、すぐに無理だと悟った。

金田一の顔も青くなっていたから。

これはもう、どう頑張っても誤魔化しきれない。

えーい、こうなったら正面突破するしかない!

私は国見の手を取ると、そのまま引っ張って走り出した。


「いいから行くよ!」

「はあ?おい、お前、走んなって……!」


焦ったような声を出す国見。

また喘息のこと、気にしているんだろうなあ。

確かに、3月は三寒四温っていって、暖かい日と寒い日が交互に続いて体調を崩していた日もあった。

でも、最近は暖かい日が続いているから、ちょっと走ったくらいで酷い発作は起きないはず!

私は、勢いで誤魔化すかのように部室まで国見を連れていった。


「なんで練習まだ始まっていないのに、走らなきゃなんねえの……」


部室の扉の前まで着いた国見がそう零したけど、その割には全然息が上がっていないのはどうして……。

国見バースデー 9→←国見バースデー 7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 5.3/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くれは* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年3月1日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。