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松川＆矢巾バースデー 11 ページ13
「あ、そろそろ来るって。みんな、準備して！」
徹が携帯を見ながらそう言い、御央花さんと私で急いでクラッカーを部員に配る。
コツコツと階段を上がる音が、部室にまで響いて聞こえてきた。
話し声も微かに聞こえてくる。
いよいよだ……。
ちょっと緊張するな。
クラッカーの紐を握る手に、少しだけ力が入る。
ガチャ、とドアノブを回す音がして、陽の光が見えた。
松川さんと矢巾さんの姿が見えた瞬間、徹がクラッカーを鳴らし、続いてハジメ、他の部員も私も紐を思い切り引っ張った。
クラッカーから飛んだキラキラしたテープが、弧を描いて2人にかかる。
松川さんも矢巾さんも、突然のクラッカーに目を見開いて驚いていた。
サプライズ、大成功だ。
「松つん、矢巾、誕生日おめでとう〜！」
徹が全員を代表して言い、私たちも「おめでとう」と言いながら拍手する。
松川さんと矢巾さんの後ろで、花巻さんと渡さんは2人の背中を押して中へと入れさせる。
そして、パタンと再びドアを閉めた。
「はい、じゃあここで及川さんによる、バースデーソングでーす」
突然そう言い出した徹に、私はギョッとしてハジメの顔を伺った。
そんなプログラムあったっけ……？
ハジメも知らなかったみたいで、血相を変えている。
そう、私たちは知っているのだ。
徹がイケメンの顔に似合わず、極度の音痴であることを。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
すみません、及川さん音痴設定でいきます。なんかその方が面白そうなので(鬼畜)
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