1256. 怒ることが出来ない ページ27
貴「私は……」
何かを言い始めてすぐに、若葉さんは黙ってしまった。
何を迷っているのか。
許したくないなら、許さなければいい。
私は別に、許さなかったからといって怒らない。
むしろ、顔も見たくないと言われてもいいくらいだ。
すうっと若葉さんが息を吸ったかと思うと、肩を使って息を吐き、へらっと笑った。
貴「やっぱり、私には怒ることは出来ないみたいです」
困ったように眉を下げて笑うその姿は、なぜか痛々しく見えてしまった。
貴「確かに、2人にされたことは簡単に許せるようなことじゃないと思います。でも、2人に嫌がらせをされることよりも、味方がいなくなることの方が私は怖かったんです。また昔みたいになってしまうんじゃないかって……」
ああ、そういえば、複雑な家庭環境だったから中学前までは味方がいなかったんだ。
それに比べたら、この環境ですらマシだったってこと？
若葉さんの話す言葉で、私はようやく気づいたのだった。
これだけポジティブなのは、昔よりも今の方がまだ良い生活ができていると思っているからだということに。
貴「それに、事の発端は私と優木さんと家族の問題です。皆、それに巻き込まれただけ。それが自分に返ってきただけだと思えば、あまり怒りも湧きません」
ああ、そう捉えるか。
私は、おねえちゃんと若葉さんの問題に巻き込まれた被害者だと、そう彼女は言いたいのだ。
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くれは*(プロフ) - おかか。ですかさん» コメントありがとうございます。占ツクから離れかけていたにも関わらず、更新を楽しみにしていただけて嬉しいです。番外編もぜひお楽しみください。 (2022年3月1日 19時) (
レス) id: 156e3ec7ca (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか(プロフ) - 完結おめでとうございます！私は占ツクから離れつつあったのですが、この作品は読み続けたいと思い毎日更新を楽しみにしていました。最初から最後までめっちゃ面白かったです!!番外編も楽しみにしています！ (2022年2月21日 16時) (レス) @page40 id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
くれは*(プロフ) - さーぴさん» コメントありがとうございます。感情移入していただけて嬉しいです。作品を見つけていただき、ありがとうございます。番外編もよろしくお願いします。 (2022年2月18日 19時) (レス) id: 156e3ec7ca (このIDを非表示/違反報告)
くれは*(プロフ) - ちょこぷりんさん» コメントありがとうございます。ここまで読んでいただいて嬉しいです。断トツに素敵と言っていただけてとても励みになります。番外編もぜひよろしくお願いします。 (2022年2月18日 19時) (レス) id: 156e3ec7ca (このIDを非表示/違反報告)
くれは*(プロフ) - RIOさん» コメントありがとうございます。気づいたら3年半も経っていました笑 考えながら読むとまた違った見え方が出来ると思うので、その読み方をしていただけて嬉しいです。 (2022年2月18日 19時) (レス) id: 156e3ec7ca (このIDを非表示/違反報告)
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