【HQ】鈍感少女 Answer 2

1140. 復讐する意味 ページ7

瑜伽さんは優しい。

優しいから、自分のことを責めて泣いている。

本当に私のことを考えていないなら、私から情報だけ聞いて1人で解決すればいい。

でも、瑜伽さんはそれをしなかった。

私がどうしたいのか聞いて尊重してくれた。

当事者のことを考えている時点で、瑜伽さんは優木さんとは違う。


貴「瑜伽さんは、復讐しても意味はないって言ったけど、でも瑜伽さんが復讐した意味はここにあると思うよ。少なくとも、瑜伽さんの復讐は私を救った」


きっと、瑜伽さんはそんなつもりがなかったのかもしれない。

成り行きだったのかもしれない。

でも、瑜伽さんの復讐がなかったら、私はきっと今、ここにはいないと思う。


貴「宮城で誰も信じられなくなって、一か八かの賭けで東京に来て……半分、生きることを諦めてた。もし、行くところがなかったら死ぬつもりだった。そこから助けてくれたのは瑜伽さんだったから。瑜伽さんが来てくれたおかげで、私はもう一度宮城に戻れたんだよ」


お姉さんはもう亡くなってしまったから、救おうにも救うことは出来ない。

でも、似たような道を辿っていた私は、助けてくれた。

助けられた。

それだけでも十分、瑜伽さんのしたことには意味があったはず。

お姉さんが受けていた嫌がらせに気づかなかったことは、瑜伽さんのせいじゃない。

でも、今同じ状況を変えられたことで、もう自分のことを許してもいいんじゃないかって私は思った。

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