【HQ】鈍感少女 Answer 2

1138. ずっと囚われていた ページ5

どうして謝る必要があるのか、分からなかった。

もしかして、瑜伽さんを責めているように聞こえちゃったかな？

それだったら、誤解を解かなきゃ。

そんなつもりで言ったわけじゃないから。

でも、その前に瑜伽さんが口を開いた。


天「私……私ね、中学生の時に姉さんを亡くしたの。原因は、部活での嫌がらせだった。でも、そのこと、私は全く知らなくて……」


ああ……そうだったんだ。

これが、瑜伽さんが復讐しようとした理由。

復讐というには、あまりにお人好しで優しいけど。

でも、瑜伽さんはずっとそれに後ろめたさを感じていたのかもしれない。

私は瑜伽さんをヒーローのように見ていたけど、瑜伽さんはそうじゃなかったんだ。


天「姉さんに嫌がらせした人なんて、誰だか分かんない。だからそれを、同じことをした別の人にぶつけて、私はずっと安心していた。そうすることで、姉さんが救われた未来をずっと夢見てたんだ……」


やっぱり、瑜伽さんもずっと過去に囚われていたんだね。

ずっと1人で抱え込んで、誰にも言えないまま今日まで来た。

私が全てを忘れようとしたように、瑜伽さんは忘れられない過去をねじ曲げようとした。

だって、そうしないと自分が今生きている意味が分からなくなりそうだったから。

でも、でもね、瑜伽さん。

私はその瑜伽さんが夢見た幻に……。


貴「救われたよ」

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