【HQ】鈍感少女 vs 嘘つき少女

53. バカップルみたい ページ6

少しして私はやっと落ち着いた。

ハジメの腕から抜け出すと、ベットにボスン、と勢いよく倒れる。

これだけでも、私は結構落ち着けるんだ。

ヌクい布団とハジメがいると、安心するから。

私がハジメの家に来て、ハジメとは幼馴染の関係という認識があまりなくなった。

一緒に住んでいることもあって、どちらかと言うとお兄ちゃんみたいな、そんな存在になりつつある。

元々一人っ子だった私は、小さい時から兄弟に凄く憧れていたんだ。

だから、徹が兄弟の話をする時いつも羨ましく思ってた。

徹は楽しそうに話すけど、その楽しさ自体を体感することは出来なかったから。

でも、今なら分かる。あの時の徹の気持ち。

兄弟がいるってだけで、ちょっと生活が変わって寂しい気持ちが途端に和らぐ。


貴「ねえ、ハジメ」

岩「どうかしたか？」

貴「……ううん、何でもない」


会話文だけ見たらただのバカップルみたいだけど、そうじゃない。

名前を呼ぶと返事をしてくれる、いつもそばにいる、そんな人がいることを実感して、嬉しかった。

明日もまた頑張れそうだなーと思った時だった。


岩「なあ、A。＿＿＿＿」








貴「……えっ」

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