72. バレーなんか ページ25
松「へぇ、そうだったのか……」
松川さんの声にハッとした優木さん。
松「知らなかったよ。お前が、バレー"なんか"どうでもいいなんてさ」
花「大会じゃ、別に勝っても負けてもどっちでもよかったんだろ」
矢「そう言えば優木さん、去年の大会で白鳥沢に負けた時も、1人だけ飄々としてましたよね」
渡「なんでバレー部に入ったんですか？バレーのことどうでもいいのに」
皆、優木さんを見る目が変わる。
優木さんは、しまった、と苦虫を噛み潰したような顔をする。
しかし、それも一瞬だった。
桃「あーあ、バレちゃった。まあ、2年間出来たからいいけどさ」
いつもの高い声から一変して、冷たい響きをもった低い声。
桃「私はバレーなんてどうでもいい。
ただ、皆のカッコ良さに惹かれただけ。
いわゆる、部員目当てってヤツと全く一緒。
2軍の子に聞いたら分かるわよ。
今まで私が何をしてきたか」
ニッと笑った優木さんの顔には、いつもの優しい面影はなかった。
言ってしまえば、狂っているような……ランランと光っているような目。
桃「まあ、流石にバレちゃったし、受験生にもなるから、心配しなくとも、私はバレー部を辞めるわ。でも……」
そう言って、私の胸倉を掴んでいる手に更に力を入れた。
ちょっと待って、それ以上は流石に苦しいです、死にます！！！
貴「……ｹﾞﾎｯ」
桃「あんただけは許さない。あんたがいなければ、私が隠していたことがバレることもなかったのに！」
怒りの矛先、私に向けられるのか……。
なんか理不尽な気がするのは、私だけだろうか……。
花「お前、それは言いがかりだろうが！」
矢「若葉は何も悪くないんですよ！」
桃「言いがかりなことくらい知ってる。
悪くないことくらい知ってる。
でも、私の怒りがおさまらない。
そう言えば、貴女、喘息持ちなんだっけ？
このまま絞め続けたら、死ねるのかな？」
松「おい、やめろ！」
松川さんが、こっちに駆けてこようとした時だった。
桃「いった……！」
貴「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｹﾞﾎ！」
ボールが優木さんの手に当たって、胸倉を掴んでいた手が放れる。
咳をしながら壁に寄りかかって座り込み、ボールの来た方向を見ると、
そこには、目だけで人を殺しそうな徹と、怒りで瞳孔が開いたままのハジメがいた。
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uefHYEIGisXCsvG(プロフ) - 優木さんの気持ち、よく分かる。世の中ってすごく不公平だよね。私は優木さんにちょっと感情移入しちゃうとこあるな〜 (2020年12月18日 16時) (
レス) id: 4cefab5fa3 (このIDを非表示/違反報告)
朱夏(プロフ) - 77話神です！好きです！頑張ってください！(o^^o) (2018年9月19日 0時) (レス) id: ba5d47934d (このIDを非表示/違反報告)
(名前)あやな(プロフ) - これヤバイね。(￣▽￣;)優木ちゃんドンマイ(´▽σ｀)σ♪ (2018年9月14日 5時) (レス) id: 94765e7d31 (このIDを非表示/違反報告)
*マル* - 修羅場で優木先輩やっちゃった(^O^) おわたー (2018年9月14日 3時) (レス) id: 30b0dac975 (このIDを非表示/違反報告)
あゆか(プロフ) - 修羅場！！若葉ちゃんがんばれー！！ (2018年9月12日 19時) (レス) id: fb58e16ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれは*
| 作成日時：2018年8月25日 16時
