63. 半分我儘 ページ16
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最初に俺がおかしいと思ったのは、入部してからすぐのこと。
まだ仮入部期間ということで、2軍にいた俺は、休憩時間に入って驚いた。
スポドリがない。
1軍の方をチラッと見ると、スポドリの籠が目に止まった。
1軍はあるのに、2軍はない。
なんだこれ、不公平じゃね?
そう思っていると、2軍の先輩たちは自分の空のボトルを持って、体育館を出た。
金「あ、あの、先輩。スポドリって……」
「ああ、お前たちは知らないか。ここじゃ2軍は、自分たちでスポドリ作るんだよ」
国「マネージャーがいるのにですか?」
「ああ。なんでも、1軍だけでも忙しいらしくて、こっちまで手が回んないそうだ」
「まあ、そんなのただの建前だけどな。アイツ、1軍のヤツらしか世話する気ないんだよ」
マジか……。
まさかの部員狙い系女子か?
中学の時から、そういうやつは結構いたから覚えてる。
確かに、マネージャーの仕事が大変なのは、中学の頃の若葉を見てれば分かる。
でも、それでも若葉は中学の時に、1人で全部こなしてたんだ。
俺たちのいた中学だって、バレーはかなりの強豪校だ。
人数だって結構いた。
それでも、若葉は1人で頑張って仕事をこなしてたんだ。
……なんかムシャクシャするな。
国「……チッ」
金「国見、気持ちは分かるけど舌打ちすんなよ……」
国「俺、あのマネージャー嫌いだわ」
金「まあ、部員目当てな奴なら嫌だよな。練習の邪魔になんきゃいいけど」
国「すぐに分かると思うけどな。どんなに頑張っても、嘘って必ずバレる日が来るから」
少し若葉が心配だ。
アイツの中学時代は、部員目当てのマネージャー希望によって過酷なものになっていた。
多分、そのせいもあって、高校では文化部にしようとしていたんだと思う。
まあ、俺たちが無理矢理連れてきたけど。
及川さんに言われたってのもあるけど、俺は、アイツがマネージャーをするバレー部でプレイしたいから。
……なんて、半分俺の我儘だけどな。
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uefHYEIGisXCsvG(プロフ) - 優木さんの気持ち、よく分かる。世の中ってすごく不公平だよね。私は優木さんにちょっと感情移入しちゃうとこあるな〜 (2020年12月18日 16時) (レス) id: 4cefab5fa3 (このIDを非表示/違反報告)
朱夏(プロフ) - 77話神です!好きです!頑張ってください!(o^^o) (2018年9月19日 0時) (レス) id: ba5d47934d (このIDを非表示/違反報告)
(名前)あやな(プロフ) - これヤバイね。( ̄▽ ̄;)優木ちゃんドンマイ(´▽σ`)σ♪ (2018年9月14日 5時) (レス) id: 94765e7d31 (このIDを非表示/違反報告)
*マル* - 修羅場で優木先輩やっちゃった(^O^) おわたー (2018年9月14日 3時) (レス) id: 30b0dac975 (このIDを非表示/違反報告)
あゆか(プロフ) - 修羅場!!若葉ちゃんがんばれー!! (2018年9月12日 19時) (レス) id: fb58e16ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれは* | 作成日時:2018年8月25日 16時