検索窓
今日:6 hit、昨日:26 hit、合計:879,564 hit

63. 半分我儘 ページ16

────────────────
────────────
────────

最初に俺がおかしいと思ったのは、入部してからすぐのこと。

まだ仮入部期間ということで、2軍にいた俺は、休憩時間に入って驚いた。


スポドリがない。


1軍の方をチラッと見ると、スポドリの籠が目に止まった。

1軍はあるのに、2軍はない。

なんだこれ、不公平じゃね?

そう思っていると、2軍の先輩たちは自分の空のボトルを持って、体育館を出た。


金「あ、あの、先輩。スポドリって……」

「ああ、お前たちは知らないか。ここじゃ2軍は、自分たちでスポドリ作るんだよ」

国「マネージャーがいるのにですか?」

「ああ。なんでも、1軍だけでも忙しいらしくて、こっちまで手が回んないそうだ」

「まあ、そんなのただの建前だけどな。アイツ、1軍のヤツらしか世話する気ないんだよ」


マジか……。

まさかの部員狙い系女子か?

中学の時から、そういうやつは結構いたから覚えてる。

確かに、マネージャーの仕事が大変なのは、中学の頃の若葉を見てれば分かる。

でも、それでも若葉は中学の時に、1人で全部こなしてたんだ。

俺たちのいた中学だって、バレーはかなりの強豪校だ。

人数だって結構いた。

それでも、若葉は1人で頑張って仕事をこなしてたんだ。

……なんかムシャクシャするな。


国「……チッ」

金「国見、気持ちは分かるけど舌打ちすんなよ……」

国「俺、あのマネージャー嫌いだわ」

金「まあ、部員目当てな奴なら嫌だよな。練習の邪魔になんきゃいいけど」

国「すぐに分かると思うけどな。どんなに頑張っても、嘘って必ずバレる日が来るから」


少し若葉が心配だ。

アイツの中学時代は、部員目当てのマネージャー希望によって過酷なものになっていた。

多分、そのせいもあって、高校では文化部にしようとしていたんだと思う。

まあ、俺たちが無理矢理連れてきたけど。

及川さんに言われたってのもあるけど、俺は、アイツがマネージャーをするバレー部でプレイしたいから。









……なんて、半分俺の我儘だけどな。

64. 呑気なやつ→←62. 墓穴を掘った



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (442 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1068人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

uefHYEIGisXCsvG(プロフ) - 優木さんの気持ち、よく分かる。世の中ってすごく不公平だよね。私は優木さんにちょっと感情移入しちゃうとこあるな〜 (2020年12月18日 16時) (レス) id: 4cefab5fa3 (このIDを非表示/違反報告)
朱夏(プロフ) - 77話神です!好きです!頑張ってください!(o^^o) (2018年9月19日 0時) (レス) id: ba5d47934d (このIDを非表示/違反報告)
(名前)あやな(プロフ) - これヤバイね。( ̄▽ ̄;)優木ちゃんドンマイ(´▽σ`)σ♪ (2018年9月14日 5時) (レス) id: 94765e7d31 (このIDを非表示/違反報告)
*マル* - 修羅場で優木先輩やっちゃった(^O^) おわたー  (2018年9月14日 3時) (レス) id: 30b0dac975 (このIDを非表示/違反報告)
あゆか(プロフ) - 修羅場!!若葉ちゃんがんばれー!! (2018年9月12日 19時) (レス) id: fb58e16ee5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くれは* | 作成日時:2018年8月25日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。