【HQ】鈍感少女 vs 嘘つき少女

58. あざとい現役男子高校生 ページ11

妬み女子ABCを心の中で貶めつつ、それを言葉には出さずに丸っきり無視して、やっとのことで教室に着けば、既に8時を回っていた。

そろそろバレー部の朝練が終わり、国見が戻ってくる。

そう言えば、昨日はハジメの頼みだからとか言って簡単に頷いちゃったけど、ハジメは他の皆になんて説明したんだろう？

流石に無断欠席とかになってないよね？そしたら、いくらハジメでも許さないよ、私。

わー、なんかバレー部の皆と顔合わせづらいな……。

今日1日、国見から逃げるか……でも何処に？

それか、休み時間の間、寝て誤魔化す？

てか、アイツいつも寝てるから、大丈夫な気がするけど……。


国「ねえ」

貴「はい、何……って」


ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ！！！

……返事しちゃったじゃん、いつもの癖で。


貴「く、国見、これは違うんだよ！」

国「は？」

貴「いやだから、これには訳があって、決して無断欠席とかじゃ……」

国「あ、朝練の話？なら、岩泉さんに聞いたけど」


oh……普通に大丈夫だった。


国「それよりさ、今日午後練も来ないってマジ？」

貴「……マジです」

国「えー、やだ」


やだ!?

何こいつ、あざといこと言いやがって！

現役男子高校生で「やだ」をここまで自然に言える奴、他にいないよ、絶対。


貴「マネージャーなら、優木さんがいるじゃん」

国「だって俺、全部知ってるし」


……What's？

知ってるとは？え、何知ってんの、こいつ？

私、皆に隠してることないんだけどな……。


国「待って、もしかしてお前、分かってないの？」

貴「……何が？」


私の言葉は完全に想定外だったらしい。

一瞬キョトンとした顔を見せた後すぐに、国見はハーっと深いため息をついた。


国「1番関係してる人が分かってないとか、あの人も大変だな」


え？何？いや、あの人って誰だし。国見、何言ってんの？


国「まあ、いいや。今日午後練行かないってことは、暇だよね？」

貴「ああ、うん。まあ……」

国「じゃ、後で電話で教えるから」


お、おう……直接じゃないのね。

まあ、教えてくれるなら何でもいいや。

取り敢えず……


貴「国見、部活はサボらないでね」

国「……ﾁｯ」

貴「舌打ちしない！」



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あの人＝優木さんです

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