【HQ】鈍感少女 Another 3

1048. 巻き込みたくない ページ9

影山とAたちに溝があったことは、なんとなく知っていた。

それももう、険悪な雰囲気ではなくなったと思っているし、影山とAに関して言えば、ある程度話す仲には戻っているようだった。

だから、影山がAのことを心配してくれていることが正直嬉しかったし、ああこいつは大丈夫だと思えた。

でも、影山だってここで時間を費やしていいわけじゃないはずだ。

1月には東京で春高バレーがあるし、そのために烏野は惜しむ暇なく練習しているだろうから。

本当は、螺咲に接触して青城にいた時のことを聞いてきて欲しいが、果たしてそれがバレーの練習に支障をきたさない度合いで出来るだろうか？


岩「正直、Aのことを思ってくれているのはすげー嬉しい。でも、お前は東京に行くんだろ？それよりも練習を優先するべきだ」


影山が逸材であることは知っている。

あの及川がトスで勝てないと言ったほどなのだ。

東京に行けば、将来の幅が広がるチャンスなのは間違いない。

だからこそ、Aのことでこれ以上大勢の人を巻き込むわけにはいかないんだ。

影山には悪いけど、ここはAがちゃんと戻ってくるまで待っていて欲しい。


影「……分かりました。でも、何か俺に出来ることがあったら連絡ください」


そう言って、影山は俺に一礼すると回れ右をして走っていってしまった。

って、ちょっと待て……。

あいつ、俺の連絡先知ってんのか……？

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