【HQ】鈍感少女 Another 3

1069. 募る後悔 ページ30

及川side


木兎君からRINEの返信が来たのは、次の日だった。

部活終わりに、例のマネージャーの子と話をさせて貰えるらしい。

その時間が来るまで、俺は家で勉強をしながら待つことにした。

英語を勉強していて、ふと留学のことが頭に浮かぶ。

もっと早く、Aちゃんに留学の話をしていたら、こんなことにならずにすんだのかな？

今更後悔しても遅いけど、岩ちゃんの言う通り早めに言うべきだった。

春高予選前はAちゃんが忙しいから、終わったら終わったでまた部活が忙しいから、なんていろいろ理由をつけてズルズルと話さない期間を伸ばしていった結果がこれだ。

自分でも分かっていた。

本当は、Aちゃんに話すのが怖かった。

岩ちゃんにはスっと出てきたくせに、おかしな話だ。

行かないで、なんて引き止められたら、俺はなんて返せばいいんだろう？

いや、あの子はそういうことは言わないか。

耐えて耐えて、影で泣く子だ。

そして、それを慰めるのは、きっと俺じゃない。

それが嫌だったのかもしれない。

岩ちゃんとAちゃんの信頼関係は、俺と岩ちゃんと同じく絶対だ。

でも、俺とAちゃんだって仲が悪いわけじゃない。

それに劣るってだけの話で。

もう少し、距離を縮められていたら良かったのかな。

Aちゃんのこと、1度は疑っちゃったしな。

ズルズルと過去のことにまで後悔が募っていると、机の上に置いていた携帯が小さく振動した。

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