1068. 魔が差しただけ ページ29
蓮「部活で話していくうちに、僕はいつの間にかAさんの彼氏になったつもりでいた。恋文を送って、それを読んでいるところも見て、僕のことが好きなんじゃないかと勝手に思っていたんだ」
蓮耶匁は、さっきまでの威勢の良さはどこへやら、すっかり萎んでいた。
自分のした事が、他からどう見られていたのかやっと自覚したらしい。
恋じゃなくて所有欲だったんじゃないか、なんて俺の本音がそのまま出てしまっただけだけど、結果的に良い方向にいきそうだ。
情報が多くて助かる。
蓮「だから、Aさんが嫌がっていても、それが恥ずかしいからだと思っていた。Aさんも僕のことが好きなんだと信じて疑わなかったから。でも、そうか……僕のしていたことは、本当に恋をしている行動じゃなかったんだね」
寂しそうに振り返る蓮耶匁に、少しだけ同情しないこともない。
良かれと思ってやっていたことも、相手にとってはありがた迷惑だったなんてことは、日常でもよくある。
若葉が完全に困っていたから、ありがた迷惑ですらないんだけども。
蓮「金田一、ありがとう。おかげで目が覚めたよ。多分、もう……Aさんは僕と話してくれたないだろうから、代わりに言って欲しい。あの時は、悪かったって」
そう言った蓮耶匁の顔は清々しかった。
多分、本来の彼は悪い人ではないのだろう。
恋によって魔が差しただけなのだ。
本当にそれだけで、好きな人との仲を裂くことになってしまったのだ。
108人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらんぼ(プロフ) - 3年間、初期から見てます!!更新頑張ってください!! (2021年7月22日 19時) (レス) id: e98feceda5 (このIDを非表示/違反報告)
くぅ助(プロフ) - めっちゃ次の展開が楽しみで、毎日楽しく見させてもらってます!!!頑張ってください! (2021年6月1日 20時) (レス) id: e081d66984 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ