【HQ】鈍感少女 Another 2 (ページ3)

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994. 協力し合わないとページ3

天「……なぜ、そんなことを聞くんですか？」

考えた末に、私は敢えて聞き返した。

この人が何を考えているのか、どういう経緯でそういう質問に行き着いたのか聞きたかったから。

及『いや、明らかにおかしいでしょ。君はあの時、頑なにバレー部に来た理由を言おうとしなかったけど、その後すぐに転校するなんて偶然にしては重なりすぎてる』

及川さんの言葉に、私は息を飲んだ。

あの後すぐに転校したこと、知ってたんだ。

いや、若葉さんが言えば有り得ない話じゃない。

及『それに、あの時は噂で誤魔化したことを大目に見たけど、流石にこの状況ではそうも言っていられなくなった。バレー部に来た理由が噂を聞いたから、なんていうのは的を得た回答にはならないよ』

ああ、そういえば、私はあの時噂を聞いただけ、と誤魔化したんだっけ。

それで、若葉さんにだけ忠告したんだ。

今後悪いことが起きるよって。

及川さんたちに言っても良かったけど、私のことを根掘り葉掘り聞かれるのは嫌だったから結局言わなかった。

でも、この際しょうがない。

若葉さんが今どうなっているのか分からない以上、利害は一致しているわけだから協力しなくてはならない。

私の知っていることが少しでも役に立つなら、それで若葉さんの居場所が分かるなら、話すしかない。

私にとって、あの依頼者はもう敵と見なしたのだから。

天「分かりました。私の知っていること全てをお話します」