【HQ】鈍感少女 Another 2 (ページ14)

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1005. 無事だという確認ページ14

はあ、とため息をついた。

取り敢えず、Aを自分の家に預けて、俺とクロは学校へ向かった。

珍しく早く起きたから、いつもよりも授業は眠かったし、部活中も欠伸をする始末。

春高までもう1ヶ月を切ったから、あまりうかうかしていられない。

だから、Aのことは部活中は考えないようにしていた。

プレーに影響が出ると、練習の意味ないし。

俺はセッターだから、周りにも迷惑がかかる。

その代わり、帰り道はゲームすら開かずに真っ直ぐと帰った。

隣でクロが驚いていたけど、今はそんなことを気にしている場合じゃない。

家に着くなり、俺はすぐにAの眠る部屋へと向かった。

もちろん、クロも一緒に。

Aは、ベッドの中にいた。

一瞬、まだ目が覚めていないのかと思ったけど、顔を覗き込むと開いたままの目と視線が合った。

貴「けん……ま……？」

本当に一日中寝ていたことが分かるほど、Aの声は掠れていた。

でも、俺はその言葉に返事をするよりも先に、全身を脱力させた。

一先ず、Aの意識は戻った。

身体の方も、特に何かあるわけじゃなさそう。

無事だという確認が取れただけでも、安堵のため息が漏れ出てしまった。

それくらい、俺は多分心配してたんだ。

絶対誰にも言わないけど。

黒「よう、目覚めたか？」

ホッとしている俺の後ろから、クロがひょこっと出てきてAに声をかけた。

Aの瞳が大きく見開かれる。

そして、ホッとしたように涙ぐんだ。