【HQ】鈍感少女 Another 2 (ページ13)

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1004. 引退の事実ページ13

改札から離れた人気のない壁際に、Aを抱き上げたクロと俺は寄りかかった。

なんとか人の視線をかいくぐれたのはよかったけど、一歩間違えたら救急車を呼ばれていた。

そうなれば、事情を聞くことが出来なくなる。

いや、でもAの容態にもよるけど、病院に連れていった方がいいのかな？

チラッとクロの腕の中にいるAを見ると、目の下には濃くなった隈が見て取れた。

きっと、ここ最近ずっと眠れていなかったのかもしれない。

いったい、宮城で何があったんだろう？

そう考えて、ハッとした。

翔陽から、宮城の春高予選がいつあったのかは聞いていた。

そして、宮城代表が烏野であることも。

つまり、Aのいる青葉城西高校は、もう3年生が引退してるんだ。

俺は、夏休みの時の青城の様子を思い出した。

Aは割と3年生に可愛がられていた気がする。

2年生は……話しているところを俺は見ていない。

流石に同じ部活で話さないなんてことはないんだろうけど、仲が良かったのかまでは分からない。

3年生が引退して、Aの居場所がなくなったとか？

でも、Aは1年生とも仲が良かったように見えたし、そんな簡単に居場所がなくなるとも思えない。

やっぱり、本人の口から直接聞かなきゃダメだ。

流石に俺たちに解決は出来ないだろうけど。

今は眠っているだけみたいだし、俺の家に連れていっちゃダメかな……。