863. 誰も悪くなかった ページ10
影「誰もいねえ！」
突然、影山がそう叫んだ。
影「うち下ろせ！」
及「前！」
徹の指示も虚しく、日向君は手首のスナップだけでボールをネットの向こう側へ打ち落とした。
影山は、日向君がネット近くに跳んでしまったことに気づいてボールを日向君に合わせたのだ。
普通なら、日向君は囮にしてしまうはず。
そこを合わせて強行突破するなんて……。
私たちが中学生の時は、今の日向君の場所に影山がいた。
でも、影山のポジションには誰もいなかった。
だから、影山に追いつける人も、ましてやその先をいく人もいなくて、彼は孤独だった。
今なら分かる……私たちは影山のことが理解できなかった。
そこで噛み合わなくなって、私たちは決裂してしまったんだ。
きっと、誰も悪くなかった。
いや……良い悪い以前に、影山のレベルが違いすぎたんだ。
悔しいけど、私たちは影山がプレイする場所を作ることが出来なかったのだ。
きっと話し合いをしたところで何も変わらなかったかもしれない。
でもきっと、影山にとってあの3年間は自分と違う人がいると気づけた時間に違いない。
少しでも、役に立てているなら、私はそれで構わない。
ただ、国見と金田一が影山と仲直りするのは、まだ先になりそうだと思った。
その後は、再び取って取られての繰り返し。
得点は18対18で、どちらが先に20点台にいくのかすら分からない。
そんな予想もつかないところで、青城は新たな武器を入れる。
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にろちゃん - 牛島さんの口調はだいたいあってると思います！とても面白かったです！ (6月25日 22時) (
レス) @page28 id: 6a8e0333e2 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ - はじめまして！とても面白くて一気に読み進めちゃいました！これからも応援しています！！ (2020年12月2日 22時) (レス) id: 29faa5c20f (このIDを非表示/違反報告)
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