859. 攻防戦の終結 ページ6
京谷さんが拾ったボールはハジメが決めた。
次のサーブは徹。
もう決まるか決まらないかなんて心配はしていなかった。
たとえスパイク並の威力だろうと、コントロールが難しかろうと徹は絶対に決める。
案の定、徹の打ったボールは烏野のコート内。
東峰さんの前だった。
拾ったことには拾った東峰さんだけど、ボールはネットを超えて京谷さんにダイレクトで叩かれた。
2対0、烏野はまだ1点も取っていない。
流れは完全に青城寄りだった。
しかし、徹の2度目のサーブは澤村さんが完全に拾ってしまった。
回転のかかったボールが、上へと上がる。
影山がトスを上げ、田中さんがそれを決めた。
1点返された。
でも、京谷さんがすぐに1点取り返す。
そんな攻防戦が続き、ローテが1周した。
まだ8対7でウチが勝っていた。
とは言っても、1点差なんて気を抜けばすぐに抜かされてしまう。
安心することなんて出来なかった。
回ってきた徹のサーブは、ネットに引っかかって威力が減ってしまった。
それを田中さんが拾い、月島君が打つ。
徹がファーストタッチ、しかも今コート内に渡さんがいないため、ハジメがアンダーで京谷さんにラストを任せる。
京谷さんの前には田中さんがいた……はずだった。
京谷さんが打つ直前、田中さんと隣にいた月島君が入れ替わる。
京谷さんの目の前には、月島君のブロックがそびえ立っていた。
結果、ドシャットだった。
初めて完全に止められた京谷さんのスパイクを、私もコーチも監督も驚いた顔で眺めていた。
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にろちゃん - 牛島さんの口調はだいたいあってると思います!とても面白かったです! (6月25日 22時) (レス) @page28 id: 6a8e0333e2 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ - はじめまして!とても面白くて一気に読み進めちゃいました!これからも応援しています!! (2020年12月2日 22時) (レス) id: 29faa5c20f (このIDを非表示/違反報告)
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