893. 最後の戦い ページ40
岩「A！」
ハジメの声が、耳元で木霊した。
ハッとして目が覚める。
夢の中だと分かっていたのに、私は結局救われなかったのだ。
ハジメは私の肩を掴み、起こしてくれたらしい。
岩「……大丈夫か、A？」
ハジメの顔はとても心配そうだった。
そんなに私は酷い顔をしていたのかな？
確かに、もういないはずの2人に会って、過去のことを思い出しかけた。
手が少し震えているのは、きっとそのせいだ。
でも、いつまでもそれに怯えていたってしょうがないよね。
それに、今は私よりもハジメの方が辛いはず。
私は首を横に振って、ハジメを安心させるように笑った。
貴「大丈夫だよ。ほら、早くバス降りよう？」
ほかの皆は、もうとっくにバスを降りていた。
ハジメもそれに気づいたのか、慌てて席を立つ。
寝起きの皆は、さっきまで泣いていたこともあり、目が腫れていた。
魂が抜けたかのようにボーッとしていて、普段の様子と一致しないくらい静かだった。
そりゃそうだよ……これでこのチームで戦うのは、最後になってしまったんだから。
そのまま、最後のミーティングが始まった。
蓮耶匁君は、徹がコーチに事情を説明し、別室にて待機させられている。
このまま行くと、停学か退学だそうだ。
監督の言葉を、皆黙って聞いている。
いつもはうるさいくらい騒がしい体育館が、誰もいないかのようにシーンと静まり返っていた。
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にろちゃん - 牛島さんの口調はだいたいあってると思います！とても面白かったです！ (6月25日 22時) (
レス) @page28 id: 6a8e0333e2 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ - はじめまして！とても面白くて一気に読み進めちゃいました！これからも応援しています！！ (2020年12月2日 22時) (レス) id: 29faa5c20f (このIDを非表示/違反報告)
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