887. 怒った場所は ページ34
及「人気のない壁際で蹲っているのが見えて、無理矢理連れてきたんだけどさ……君、自分が何したか分かってる?」
徹は、いつものような目が笑っていない笑顔ですらなく、静かに怒っていた。
蓮耶匁君が私にしたことは、一歩間違えたら犯罪まっしぐらだ。
バレー部の問題どころか、学校的にまずい。
蓮「僕、何も悪いことなんてしてないですよ?恋人なら、あれくらいのスキンシップは普通だと思うんですけど……」
蓮耶匁君は、反省するどころか自信満々にそう徹に弁解した。
あれ、さっき牛若に怒られたんじゃないの?
そう首を傾げてからすぐにハッとする。
そうだ、牛若は私と蓮耶匁君がいた場所がいけないと怒ったんだ。
別に私たちの関係を怒ったわけじゃない。
だから、牛若はきっとそこには触れなかったんだ。
及「って言ってるけど、Aちゃん。付き合ってたの?」
徹がこちらに視線を投げかける。
私は静かに首を横に振った。
付き合った覚えなんてまるでない。
面と向かって告白もされていないし、なんなら返事もしていないのに。
蓮「う、嘘だ!だって僕の手紙を受け取ってくれたじゃないか。それに、部活中だって仲良くて……」
焦ってこちらに縋るような視線を投げかける蓮耶匁君から、私は目を逸らした。
もう見たくなかった。
恋に溺れて誰かの思い通りになるなんて絶対に嫌だ。
それに、手紙を受け取ったからって……それじゃあ手紙を見ても無視すれば良かったっていうの?
無視出来ない場所に置いていたくせに?
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にろちゃん - 牛島さんの口調はだいたいあってると思います!とても面白かったです! (6月25日 22時) (レス) @page28 id: 6a8e0333e2 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ - はじめまして!とても面白くて一気に読み進めちゃいました!これからも応援しています!! (2020年12月2日 22時) (レス) id: 29faa5c20f (このIDを非表示/違反報告)
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