881. せっかくの厚意 ページ28
蓮「関係……ないじゃないですか」
唯一、蓮耶匁君が牛若に返せたのはその一言だけだった。
牛若は、たまに言ってることがめちゃくちゃな時もあるけど、意地悪を言っているわけじゃない。
むしろ、自分が強くなるためにストイックになるだけだ。
牛「俺はお前たちがどういう関係だろうとどうでもいい。だが、今日のために戦っている選手が居る傍らでそのような行動をとっていることが気に入らない。職務を全うしない者は、ここにはいらない。やるならもっと、他の場所でやるんだな」
そう言い、私たちに背を向ける牛若。
ん?ちょっと待てよ……。
この人、いったい何しに来たの?
え、私のこと助けに来てくれたんじゃないの?
それが言いたかっただけ?
今までのことから見直したと思っていたのに、結局何も変わらないじゃん。
と、思いきや、牛若はもう一度こちらを振り返った。
そして、私の腕を掴んで蓮耶匁君から引き剥がす。
牛「及川が探していたぞ」
ぼーっと牛若の声を聞いていた私は、その一言でハッと我に返った。
徹が……探していた?
ハジメに助けを求めたら、確かにそうなるか。
もう撤収作業は終わっているだろうし、私たちのせいでバスが発車しないなんて、ただただ迷惑をかけるだけだ。
牛「早く行け」
私を引っ張りあげた動作から流れるように、私を自分の背中の後ろ、蓮耶匁君から隠すような位置まで移動させると、牛若は手を離した。
てっきり、牛若も行くのかと思いきや、その場で仁王立ちして蓮耶匁君を睨んでいた。
もしかして、時間稼ぎをしてくれているのかな?
そう思ったら、せっかくの厚意を無駄にしてはいけないと思った。
私は、牛若に軽く会釈をすると、そのまま早歩きでその場を去った。
牛若の良いところを知れて、驚きと少しの喜びが混ざりあった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
新作投稿しました。よろしくお願いします。
→【HQ】人狼ゲーム
120人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にろちゃん - 牛島さんの口調はだいたいあってると思います!とても面白かったです! (6月25日 22時) (レス) @page28 id: 6a8e0333e2 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ - はじめまして!とても面白くて一気に読み進めちゃいました!これからも応援しています!! (2020年12月2日 22時) (レス) id: 29faa5c20f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ