873. 幼馴染を信じる ページ20
蓮耶匁君についていくと、見覚えのあるところに辿り着いた。
IH予選の時、金田一が鮒川さんに呼び出された場所だった。
あまり良い思い出がないせいか、嫌な予感がする。
私は、片手で携帯を持ち、後ろ手にしながら電源を入れる。
RINEを開いてハジメとのトーク画面をタップした。
もしかしたら、私の勘違いかもしれない。
だって、私の予感は大抵外れるから。
今回も、何か問題になるようなことはないはず。
でも、わざわざ皆と離れたところに呼び出されるのは、少しだけ怖かった。
『助けて』とキーボードで打って、送信ボタンをいつでも押せるようにする。
昔の私なら、きっとハジメに迷惑をかけちゃいけないと思って、何もしなかったかもしれない。
でも、ハジメは言ってくれた。
いつでも私の味方だって。
そこまで言ってくれたのに、信じないのは幼馴染じゃないよね。
ハジメが私をどれだけ大切にしてくれているのかは、今までを見ていればよく分かった。
大丈夫……たとえ間違いで終わったとしても、ハジメは不必要に怒ったりしない……と思う。
そう、この時私は完全に、蓮耶匁君ではなく、ハジメのことを考えていた。
蓮耶匁君との話が何も無く終わることを大前提にして考えていたのだ。
蓮「やっと……やっと2人きりになれたね」
蓮耶匁君がそう言って、私に抱きついてくるまでは。
カタン、と私の手から携帯が床に落ちた。
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にろちゃん - 牛島さんの口調はだいたいあってると思います！とても面白かったです！ (6月25日 22時) (
レス) @page28 id: 6a8e0333e2 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ - はじめまして！とても面白くて一気に読み進めちゃいました！これからも応援しています！！ (2020年12月2日 22時) (レス) id: 29faa5c20f (このIDを非表示/違反報告)
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