【HQ】鈍感少女 vs 初心男子？ 2 (ページ47)

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852. スロースターターページ47

再び復活した京谷さんの攻撃は、無事決まった。

烏野の連続得点を止めたことで、菅原さんはベンチに戻る。

そこからはもう殴り合いのごとく、両チームの激しい打ち合いだった。

徹は、ほとんどの攻撃を京谷さんに回していた。

京谷さんの打ったボールを影山が拾い損ねる。

そこで私はようやく、今までずっと京谷さんにボールを集めていたのは、京谷さんを慣らすためだと分かった。

スロースターターだったのだ。

最初は、ちゃんと噛み合うかどうか、力任せにしないかどうか、ハラハラして見ていたけど、徐々に安定感が出てきたように見える。

ネットにボールが引っかかることもなく、アウトになることもなく、力強いスパイクを烏野のコートに叩き込む。

隣でソワソワしていたコーチも、呆気にとられたようにコートを見ていた。

きっと、監督は分かっていたんだろうな……。

もちろん、徹も。

だからずっと、京谷さんにボールを集めて慣らしていた。

つまり、今までのは全てが下準備の段階。

京谷さんの調子が良くなった今、青城は攻撃の幅を更に広げたのだ。

ピーッと笛が鳴り、烏野がタイムアウトを取る。

青城は、烏野と3点差をつけて20点台にのっていた。

多分、このタイムアウトは流れを切るためだと思う。

それくらいで、京谷さんの調子が下がるとは考えられないけど。

タイムアウト後、最初のサーブで金田一がネットにボールを引っ掛け、2点差。

次の田中さんのサーブで、徹はまたしても京谷さんにあげ、田中さんの腕に弾かれてコート外に落ちた。