【HQ】鈍感少女 vs 初心男子？ 2 (ページ4)

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809. トンチンカンなことページ4

荷物を下ろし終わって体育館内に入る。

観客席ではそれぞれ自分たちの席を決めて座り、開会式の準備に取り掛かる。

マネージャーの仕事も粗方終わった時だった。

朝からトイレに行っていないことを思い出した。

これから試合が始まるのに、トイレで抜けるなんてことは許されない。

今回も、蓮耶匁君は観客席から見学だ。

IH予選と違って、蓮耶匁君は嫌な顔1つせずに頷いてくれた。

正直、そこにはホッとしている。

だからといって、私が何か失敗をやらかすわけにはいかない。

私は、急いでトイレへと向かった。

貴「あ！」

影「……あ」

ちょうど、トイレの入口で影山とバッタリ会ってしまった。

この間、金田一と国見とあらぬ事を言いたい放題言ったから、何もないのに少しだけ気まずい。

しかし、影山はそんなことすら知らぬまま、私に声をかけた。

影「この間は悪かった……勝手に青城の体育館を見てて……」

少し言いにくそうに声を潜めて言った影山の言葉に、私はハッとした。

そうだ、あの時の影山は生霊かもしれないとか金田一と国見に話していたけど……。

貴「影山……だよね？あの時いたのって。生霊とかじゃないよね？」

今度は、影山が首を傾げる番だった。

普通に考えたら、確かにトンチンカンなことを言っているけど、私にとってはかなり重要なことなのだ。

何せ、もしかしたら、あの手紙を送ってきた人との繋がりが見えてくるかもしれないのだから。