【HQ】鈍感少女 vs 初心男子？ 2 (ページ16)

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821. 不安を煽る話ページ16

及「結構な勢いで頭打ってたよ」

岩「マジかよ……」

他校とはいえ、衝撃は徹もハジメも、もちろん私も大きかった。

いくら試合中は敵だからといっても、知り合いであることに変わりはない。

しかも、澤村さんは3年生で、この試合負けてしまえば最後の試合となってしまう。

烏野の守備の中心と言っても過言ではないほどの人がいなくなったら、攻撃重視の烏野はピンチだ。

「烏野、昨日から流血多くね？」

観客席の方から、そんな他人事みたいな話し声が聞こえる。

昨日も誰かが流血したの？

烏野、今回怪我が多いのって本当に大丈夫なんだろうか？

ライバルなのに、いやライバルだからこそ心配になるよ。

及「主将君、監督の判断次第だけど、この試合無理な可能性あるね……」

岩「もし脳震盪起こしてたら怖いしな」

及「脳震盪起こしてたのにそのまま試合続行して、夜帰ってから意識不明、なんて話も聞いたことあるし」

怪我人を見ながら恐ろしい話をする2人。

心配しているのは分かってるんだけど、不安を煽るのはやめよう……。

澤村さんは、絶対大丈夫……多分。

及「烏野のボウズ君。試合中のメンタルの強さは相当だけど、それはあくまで自分の話で。自分が原因で大黒柱を折っちゃった今は、どうだろうね……」

徹の言葉にハッとする。

澤村さんも大変だけど、田中さんも精神面で辛いはず。

いくらメンタルが強くても、これは流石にキツいと思う。

私だったら多分吐いてるだろうし。