【HQ】鈍感少女 vs 初心男子？ 2 (ページ11)

今日:18 hit、昨日:16 hit、合計:65,035 hit

816. スイッチが入るページ11

1回戦目、見事に勝利した青城。

監督によると、試合の順番により今日の試合はこれで終わりなのだそう。

貴「皆、お疲れ様！」

花「若葉ー！俺ら、勝ったぜ！」

試合が終わると同時に、1番に駆け寄ってきたのは花巻さんだった。

後ろからこちらへ歩いてくる皆も、どこかホッとしているような笑みを浮かべている。

取り敢えず、1つ壁を突破したわけだ。

白鳥沢にリベンジするためには、あと2回試合に勝たなければならない。

ブンブンと私の手を上下に振り回す花巻さんと、それを止める松川さん。

まだ1回戦目であまり働いていないからか、珍しく試合後もピンピンしている国見と息を吐く金田一。

そして、その後ろでギラギラと眼光を鋭く光らせる徹とハジメ。

スイッチが入っちゃったみたいだ。

何のスイッチかって、もちろんバレーに対する熱のスイッチだ。

ここにいる全高校を倒す勢いだから、他校の生徒は近づきがたい雰囲気。

次の試合が明日であることがもったいない。

このモチベーションで試合したら、白鳥沢相手でも勝てそうなのに。

惜しいけど、そのやる気は明日に取っておいて欲しいかな。

私がギラついている2人にもお構い無しに「おつかれ」と言うと、フッと周りの空気が少しだけ和らいだ気がした。

休息時間までやる気に満ちあふられていたら、それこそ明日力が発揮できない。

それを2人も分かっているからか、笑顔で私に「ありがとう」と言って微笑んだ。