【HQ】鈍感少女 vs 初心男子？

787. 疲れてる？ ページ30

貴「それでその時にハジメが徹の耳を引きちぎりそうになってね……」

金「うっわ、相変わらずエグいな……」


結局いつも通りとなった帰り道。

若葉と金田一の会話が弾んでいる中、俺はまだモヤモヤした気持ちが晴れずにいた。

蓮耶匁……見た目は優しそうな好少年ってイメージだけど、俺はどうも嫌いだ。

第一印象がデカいってのもあるけど、どこか掴みどころがないというか、何を言ってもすぐにかわされてしまいそうな気がする。

それに、なんで若葉と一緒に帰りたがった？

なんで若葉のこと、下の名前で呼んでんだ？

思い出す度にイライラしてきて、俺は2人の会話に混ざらずに、後方でスマホを見ながら歩いていた。

FritterのTLにザッと目を通している時だった。

どこからか視線を感じた。

ふと辺りを見回したけど、こちらを見ている人もいないし、視線の気配も一瞬で消えてしまった。

気のせいか？疲れてるのか？

今日の練習もハードだったからな……と考えて、スマホにまた目を落とすと、再び視線を感じた。

しかし、辺りを見回そうとした瞬間に、視線は消えた。

それが何度も続いた。

なんだよ？疲れてるから、変に敏感なのか？

今日はもう早く寝よう。

欠伸をした瞬間、若葉と金田一が俺の方を振り返った。

なんだ？と思っていると、もう若葉の家の目の前まで来ていた。


貴「国見、欠伸してるのバレバレ」

金「欠伸してる時って変な顔になるよな。お前でもそんな顔になるのか」


俺が欠伸したところを見ていたのか、笑い出す2人。

らっきょと天然に言われてもなあ……。

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